【留学経験者体験談あり】これって留学鬱?留学先で暗い気持ちになる理由

はじめに

留学に来たけど、最近なんとなく暗い気分・・・

引っ越したけど、気分が乗らないなあ・・・

留学先、または海外に移住した後に、暗い気持ちになってしまうことってありませんか?

実は、この現象は異文化に適応していく中での自然な反応です。

留学前のセミナーなどでも、メンタルヘルスの面からアドバイスを受けることもあるかもしれません。
メンタルヘルスの世界でも、これまでと異なる文化の場所に行くと、ほとんど誰しもが経験する過程だと言われているためです。

この記事では、違う場所に行った際の気持ちの波、それにそれぞれのフェーズについて詳しく解説します。

最後に私自身の体験談も載せたので、最後まで読んでみてください。

この記事を読むと、きっと自分の気持ちを客観的に見つめられるようになりますよ。

\この記事を書いている人/
著者:かめ
2019年8月から2020年3月までアメリカに長期留学をしていた現役大学生。
コロナで緊急帰国してきました。
当時のエピソードはこちら

異文化適応仮説とは

新しい環境下で起こる、人間の心理状態の変化を表した曲線のこと。

例えば、最初は

毎日エキサイティング〜!!!

しかし、数ヶ月経つと

理由はわからないけど、辛い。

のようになる、気分の上がり下がりをグラフに表したものです。

この現象は「異文化適応過程のUカーブ仮説とWカーブ仮説」で説明されます。

Uカーブ仮説

人がカルチャーショックを乗り越えて異文化に適応する過程を、3つの時期に分けます。

リスガード(S. Lysgard)によって提唱された仮説です。

このようなグラフで表されます。

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ネムーン期

なんでも楽しい!
新しい場所ってワクワクするな〜!

という状態のことです。

この時期には、全てを「異文化だから」と思い許容します。
自分は現地に必死で適応しようとしており、無理してしまうことも。

ショック期

やっぱり慣れることができない部分もある...

ちょっときついかもしれない...

と感じる時期です。

自分の無力感に気付いたり、ホームシックになる人が多いのがこの時期です。

というのも、このくらいの時期になると徐々に周りの環境にも慣れてくる一方で「ここは許せない」という部分が見えてくるため。

それによって徐々にストレスが溜まってしまうものなのです。

私はここで少し鬱みたいになりました。
「留学鬱」についても後ほど書きます。

回復期

上手くできるかもしれない...!

自身の心の葛藤、語学学習への努力、友人との巡り合いなどを経て、現地文化に適応していく過程です。

適応期

辛いカルチャーショックがおさまり、現地の環境に適応している時期です。

ここまで来れば、現地生活はお手の物と言えます。

しかし、私の場合、適応期には波がありました。
先週は楽しいと感じたのに今週はなんとなく辛い...

など、適応期のなかでも安定しない人もいます。

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Wカーブ仮説

Uカーブ仮説を基盤として、帰国後の状態も考えたもの。
ガラホーン(J. Gullahorn)によって唱えられました。

以下のようなグラフで表されます。

ネムーン期

不適応期

適応期

ここまでは、先ほどのUカーブ仮説と同じです。

リエントリー・ショック期

ああ...アメリカはもっとエキサイティングだったな...

帰国後に経験する、自国文化への適応のための期間のことです。

現地での生活が楽しければ楽しいほど、リエントリー・ショックが重くなると言われます。

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私の場合〜アメリカ1年間留学〜

ここでは、実際にどうなのか?をお伝えするべく、私が留学していたときの日記を引っ張り出してみました。

2019年8月20日

トルネードがきた。

いきなり怖かったけど、アメリカって感じ。ワクワクする。

2019年8月31日〜9月1日

○○(友人)とシカゴ観光!

初めてのシカゴはちょっと疲れたけど、見る場所がたくさんあってついにアメリカに来たという実感を得た!

典型的なハネムーン期だね!

しかし、10月後半になると暗雲が立ち込めていました。

2019年10月26日

ストレスが一番のダイエットを阻む要因であると気づいた

なんでストレスなのか?

①人と話す機会が少ない(親しい人がいない)②テスト勉強③汗をかいていないこと?

瞑想、コーピング、マインドフルネス勉強したいわ。ストレス喰いをしてしまっている。

口調が確実に暗くなってる。

著者(かめ)は、元気だと毎日運動するタイプの人なのです

ここでは、

①親しい人がいない=内に引きこもりがちであるかめ
②テスト勉強=勉強が大変でついていくので精一杯
③汗をかいていないこと=運動する気にもなれない。あるいは勉強が忙しい

様子が読み取れます...

これは、またまた典型的なショック期だね。

2019年11月15日

えいごできるようになってきた気がしている。

ひとまず発音は練習しないといけないけど、思ったことをまあまあ言えるように

なってきた、気がする。

話すことが、大切。

お、回復してきているぞ!!

そうなんです。

この時期、英語学習へのやる気がすごく上がったことを覚えてるよ。

これは「回復期」ですね!!

2020年1月27日

最近自分、メンタルタフになったことを実感しまくっている。

まず授業で発言できるように(というか、tryしようとする)なったし、group作業でも「するよ!」「何する?」とか言えるようになった。

英語がすごい聞き取れるようになった。不思議...

「適応期」に入った!!

2020年2月10日

美味しいJapanese丼(海鮮丼のことだと思います)食べてから、日本帰りたみが増してきて授業やる気が落ちたのが手に取るようにわかった...

まず日本のおいしいご飯と、温泉♨️につかりたいのだが?となってる。

そうなのです...適応期に入って終わり、ではないのです!

適応期の中でも波があるんだね

まとめ

今回は、留学中・違う場所に滞在したときの気持ちの変化について書いてみました。

異文化適応のUカーブ仮説

異文化適応のWカーブ仮説

このグラフで大体は説明がつくのですね。

自分の気持ちも、あとで見返すと「異文化適応」の波の中に一部だったのだ!

と冷静に見返すことができて、今となれば面白いです。

でも、渦中の人は大変なはず(当時の私も...)なので、今回の記事を読んで、今の自分の客観的に見直すきっかけとなれば嬉しいです。

\これも✔︎/

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〈参照資料〉
原田舞香
『クリニックからの手紙 海外在住日本人の「異文化適応過程」について』
http://www.jas.org.sg/magazine/yomimono/doctor/harada/1902.pdf